【ギリシア神話】持ち物で絵の中の人物がわかる!一歩進んだアート鑑賞術【アテナ・ヴィーナス編】

近年、ビジネススキルの一環として、アートについて学ぶ方が増えています。

そこで、この「一歩進んだアート鑑賞術」シリーズでは、
知っていればアートがさらに楽しく学び深いものになる様々な鑑賞術をご紹介します。

 

アトリビュート~“持ち物”で絵の中の人物が特定してみよう!~

特に西洋美術を鑑賞する上で役に立つのが、“持っている物”(近くに描かれている物)で絵の中の人物が誰なのかを判別できる「アトリビュート(持物)」の知識です。

これを知っていれば、タイトルに登場人物の名前が入っていなかったり、解説がない、もしくは外国語で書かれていて読めなかったりする場合や、
さらには「タイトルに “男性” の名前があるのに画面には “女性” しかいない」などといった不可解な絵に出くわした場合(※前回記事【ゼウス・ヘラ編】参照)でも、

絵の中の人物が誰か、そしてその絵に描かれた主題が何かを読み解くきっかけを掴むことができます。

今回は、前回に引き続き「ギリシア神話」の神々を主題にした作品から、
日本でも特に人気のある二女神・アテナとヴィーナスのアトリビュートをご紹介したいと思います。

 

 

【1】アテナ→フクロウ・武具

知恵と戦い、そして人間生活にまつわる様々な技術や技芸などを司る女神・アテナ(ミネルヴァ[英語名]/ミネルウァ[ローマ名])は、神々の王ゼウスと知恵の神メティスとの間に生まれた子で、その名からもわかるようにギリシアの首都・アテネの語源になった都市の守護神でもあります。
その職能にあやかり、彼女の英語名 “ミネルヴァ” を社名に冠している企業も多いですよね。

ちなみに、ヘラクレスをはじめギリシア神話の様々な英雄たちを助けてきたアテナに仕えている女神の一人、ニケは英語名を“ナイキ”と言います。そう、彼女はあのスポーツメーカー「NIKE」の社名の由来になった、勝利の女神です。

 

【アテナを示すアトリビュート①:フクロウ】

ヘンドリック・ホルツィウス《ミネルヴァ》
1611年、油彩・カンヴァス、フランス・ハルス美術館

ギリシア神話の神々の多くはそのシンボルとして聖鳥や聖獣が当てはめられ、神の傍らに従っていたり、あるいは神自身がその聖鳥・聖獣に変身していたりすることもあります。

アテナの聖鳥は、日本でも知恵の象徴としてお馴染みの鳥「フクロウ」です。

こちらの絵では画面左端にフクロウがとまっており、この女性がアテナ(ミネルヴァ)であることを示しています。

じっと鑑賞していると、このフクロウの顔つきと、厳めしいアテナの表情がどことなく似ているような気がしてきませんか?
ペットは飼い主に似てくるといいますが、聖鳥も主人に似てくるものなのでしょうか。

 

 

 

 

【アテナを示すアトリビュート②:兜・盾・槍・甲冑など】

ヘンドリック・ファン・バーレン《パリスの審判》
1599年、油彩・カンヴァス、ベルリン美術館

戦いの神としてのアテナを象徴するアトリビュートが「兜」をはじめとする武具類です。
その中でも、彼女の装備として最も有名なものは「メドゥーサの首がついた盾」でしょう。

日本でも様々な創作物のモチーフになっているこの怪物・メドゥーサは、元々大変な美少女でしたが、とある神を冒涜した罰として生きた蛇の髪と見た者を石にする目を持つ、恐ろしい化け物に変えられてしまいました。

メドゥーサが怒らせてしまったその神というのがまさしくアテナです。

のちに、怪物メドゥーサを退治した英雄ペルセウスはその切り取った首をアテナに献上しました。
そこでアテナは、メドゥーサの首を自分の盾に嵌め込み魔除けとした――という逸話から、この武器がアテナのアトリビュートになりました。

こちらの絵の矢印が差している盾の表面をご覧下さい。
人面のようなものが見えますよね。これが蛇の髪を持つメドゥーサです。
この盾を持つ下ろし髪の女性は盾を持っているだけでなく、兜を被り、足元にはフクロウも従えているので、間違いなくアテナだということが読み解けます。

 

 

 

サンドロ・ボッティチェリ《パラスとケンタウロス》
1482年頃、テンペラ・カンヴァス、ウフィツィ美術館

アテナの絵画でもう一点ご紹介したいのが、次の《パラスとケンタウロス》です。
パラスはアテナの別名なのですが、それにしてもインパクトのある構図ですよね。

白い透けるドレスを纏い、金色の巻き毛をたなびかせる美女が、片方の手に「槍」(しかも厳つい斧槍)を持ち、もう片方の手で半身半獣のケンタウロスの髪を掴んでいます。

こちらの絵画は、一般には知性や貞節を司るアテナ暴力や肉欲の象徴であるケンタウロスを抑え込む、すなわち本能に対する「理性の勝利」を示している、と解釈されていますが、
アトリビュートの「槍」からこの美女がアテナだということを判別できないと、一体何の場面なのか見当がつかないですよね。

ちなみに、一緒にこの絵を観た友人(美術史専攻ではない)は「美女がおじさんをカツアゲしてる!」と言っていました……まぁ、気持ちもわからなくはないですが……。

 

 

 

 

【2】ヴィーナス→鳩・薔薇・黄金の林檎

ギリシア神話の愛と美の女神・アプロディテ(ウェヌス[ローマ名])は、“ヴィーナス”[英語名]の名で日本でもよく知られている女神です。

西洋美術において最も多く描かれてきた女性像のひとつであり、長きにわたって画家たちのインスピレーション源・美のメルクマークとなってきたこの女神ですが、
一方で前回ご紹介したゼウスとヘラの息子でもある鍛冶の神・へパイストスという夫を持ちながら、他にもたくさんの情人を作るといった奔放で恋多き側面もあります。

 

【ヴィーナスを示すアトリビュート①:鳩】

ヤコポ・アミゴーニ《ヴィーナスとアドニス》
1739年頃、油彩・カンヴァス、個人蔵

愛と平和の寓意である「鳩」は、キリスト教では神聖な存在、精霊の象徴ともされていますが、ギリシア神話ではヴィーナスを示すアトリビュートです。

特につがいの鳩が男女の近くに描かれていた場合、そのカップルの女性はほぼヴィーナスだと考えて間違いありません。お相手の男性は……時と場合によりますね(※大抵夫ではない)。

矢印の先に仲睦まじいつがいの鳩が描かれているこの絵画でのお相手は、人間の年下男子で、美少年の代名詞としても知られるアドニス君です。
画面左の金髪の女性がヴィーナスですが、アドニスも女性と見紛うほど美しく描かれていまね。

 

 

 

【ヴィーナスを示すアトリビュート②・③:薔薇・黄金の林檎】

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
《ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)》
1863-68年頃、油彩・カンヴァス、ラッセル=コーツ美術館
(※写真は三菱一号館美術館にて2019年3月14日~6月9日に開催された「ラファエル前派の軌跡」展にて著者撮影、作品タイトルは同展作品リストより引用)

 

その美しさから、古来より美の女神・ヴィーナスの象徴とされてきたのが「薔薇」です。

十九世紀末、イギリスで活躍したラファエル前派の代表的な画家・ロセッティの手によるこの絵画の美女もまた、背後に大量の「薔薇」を背負っています。

こちらの写真は2019年3月14日~6月9日に三菱一号館美術館にて開催された「ラファエル前派の軌跡」展にて撮影したものです。(編集部注:この絵のように、この展覧会には撮影OKの部屋がありました)

作品タイトルの“ウェルティコルディア”とは“心変わりを誘う者”といった意味があります。
ヴィーナスの力で心変わりをさせられ、惑わされた男たちにとって、彼女はまさに魔性の存在、すなわちタイトルに付された“魔性のヴィーナス”というわけですね。

この妖しく美しい、ファム・ファタール的な容貌のヴィーナスにはぴったりな表現です。

 

そんな魔性のヴィーナスが手に持っている丸いものが、最後にご紹介するアトリビュート「黄金の林檎」です。
この「黄金の林檎」がヴィーナスの持物になったエピソード《パリスの審判》ついては、この後のコラムにて詳しく書いておりますのでぜひご覧下さい。

また、《パリスの審判》は西洋美術史の中でも人気の高い題材であり、様々な国や時代の画家たちの作品が残っていますので、ぜひお気に入りの一枚を探してみて下さい。

 

 

 

【Column】パリスの審判~美をめぐる女神たちの熾烈な争い~
アントン・ラファエル・メングス《パリスの審判》
1756年頃、油彩・カンヴァス、エルミタージュ美術館

あまねく神々が招かれたとある結婚の宴。
しかし、不和の女神エリスだけは結婚という場面にふさわしくないとされ唯一招待されなかった。
怒ったエリスは、その宴の席に「黄金の林檎」をひとつ投げ込んだ――“この中で一番美しい女神へ”と書かれた手紙を添えて。

さて、その手紙を見た神たちの中で我こそは、と手を挙げたのが、ヘラアテナヴィーナスの三女神だった。宴が一瞬にして女たちの戦場へと変わる。さすがは不和の女神、彼女たちのプライドの高さをよく熟知した見事な作戦である。

この(絶対に巻き込まれたくない)戦いはその場で決着がつかず、一人の人間、トロイアの王子パリスにその審判が託されることになった。

女神たちは、自分を選んだ暁には自らが司る領分から贈り物をする、とパリスに約束した。ヘラは「権力と富」を、アテナは「戦場での勝利」、ヴィーナスは「人間の中で最も美しい女性」を。
あまりにも堂々としていて見落としそうになるが、要するにパリスへの賄賂である。

最終的に、パリスが「黄金の林檎」を渡したのはヴィーナスだった。
これによってパリスは「人間の中で最も美しい女性」を手に入れることになったのだが――この時のパリスは知る由もなかった。
その女性が他国の王の妻であり、パリスがヴィーナスの導きに従って彼女を自国へとさらってきてしまったことが、かの有名な「トロイア戦争」の引き金になろうとは。

賄賂を受け取ると後が怖い。それを差し出すのが絶世の美女なら尚更だ。
この《パリスの審判》という主題は、ある意味現代にまで続く教訓が読み取れる良い例だともいえるだろう。

 

ギリシア神話の奥深い絵画の世界、ご堪能いただけましたでしょうか。
次回はアポロンとディオニュソスのアトリビュートをご紹介したいと思います。
ゼウスの息子たちによる次世代イケメン神対決をどうぞお楽しみに!

 

この記事を書いた人

Kao
校閲士・美術史修士。大学在学時に旅行したイタリアでアートに魅せられ、独学で美術史を勉強し大学院に入学、修士号を取得。
趣味はアート、歴史、ファッション、旅行、ご当地テディベア集め。
白

 

頼れる人

テキストもダミー

食品添加物イメージ

うま味調味料

もちろん「味の素株式会社」の持つ商標(※2020年3月現在)。「味の素株式会社」にはこのほかにも、「ほんだし」や「スリムアップシュガー」など、すっかり浸透して一般名称と勘違いしそうな商標がたくさんあります。詳しくはこちら

マンションのキッチン

短期賃貸マンション

「株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメント」が商標を所有(※2020年3月現在)。もともとは「♪ツっカサ~のウィ~クリィ~マンっションっ!」で一世を風靡した「ウィークリーマンションツカサ」が、短期賃貸マンション事業を米投資会社「リーマン・ブラザーズ」に売却したことで生まれた会社だそうです。

ポータブルカセットプレーヤー

携帯音楽プレーヤー

『ウォークマン・WALKMAN』は、「ソニ-株式会社」の登録商標(※2020年3月現在)
しかし、オーストラリアにおいては、2002年に最高裁判所によって「『ウォークマン』はすでに “ポータブルオーディオプレイヤーの一般名称” になっていて、ソニーは商標権を失っている」という判決が下されてしまい、ソニーは「ウォークマン」の商標を独占使用できなくなっているんですって。

トイレ

温水洗浄便座

『ウォシュレット』の名称は、「TOTO」の登録商標(※2020年3月現在)

エアロバイク

自転車型トレーニング器具

『エアロバイク』は、「株式会社 コナミスポーツライフ」の商標(※2020年3月現在)。もともと開発したのはこれを開発したのはベビー用品で有名な「コンビ株式会社」でしたが、その後コナミに商標が渡されました。

エレクトーン 鍵盤

電子オルガン

『エレクトーン』は「ヤマハ株式会社」の商品名であるため、商標も当然ヤマハが所有(※2020年3月現在)。カワイの直営店に行って「エレクトーンを見せて下さい!」とか言うと、たぶん怒られます(カワイの電子オルガンは『ドリマトーン』)

高速道路のオービス・東京

速度違反取り締まり装置

オービス(ORBIS)』は『ボーイング社』が開発したもので、日本では『東京航空計器』という会社が商標登録しています(※2020年3月現在)。もともとはラテン語で「眼」を意味する言葉から名付けられたそうです。

オセロ

オセロ風ゲーム、リバーシ

「株式会社メガハウス」が、『オセロ・Othello』の専用使用権を所有(※2020年3月現在)。「メガハウス」はバンダイグループの会社ですね。

ワイシャツ

ワイシャツ

もともとは1918年(大正7年)に「美津濃株式会社」(現:ミズノ)が、ちょうど第一次世界大戦で「勝った」ことにひっかけて、『カッターシャツ』との商品名にしたんだそう。ネットを調べると、「もと商標」とあるので、現在は一般化しているものと思われます。詳しくはミズノの社史サイト(1918年の欄)をご覧ください。

三角コーン(PSDは切抜き)

コーン標識、パイロン

『カラーコーン』は、「セフテック株式会社」の登録商標(※2020年3月現在)。これをたくさん送られる漫画家さんもいますよね。

領収書とボールペン01

ノーカーボン紙

「富士フイルム株式会社」が所有(※2020年3月現在)

7色のクーピー #3

オイルパステル

『クレパス』は、「株式会社サクラクレパス」が商標を所有(※2020年3月現在)
公式サイトにもしっかり書いてありますね。

ツナ缶

ツナ缶

『シーチキン』は、「はごろもフ-ズ株式会社」の登録商標です(※2020年3月現在)

マッターホルン

ジェットバス、気泡風呂

『ジャグジー』は、これを開発したアメリカの企業「Jacuzzi」社の登録商標(※2020年3月現在)

川の中の修行僧16

中国武術、少林武術

『少林寺拳法』は、「一般社団法人 SHORINJI KEMPO UNITY」が所有(※2020年3月現在)

セロハンテープ

セロハンテープ

「ニチバン株式会社」が商標を所有(※2020年3月現在)。出願時には「単なる『セロハン製テープ』の略称ではないか?」と判断されてしまって審査もされず、7年半もの時間を経てやっと取得できた商標なんだそう。

荷物を渡す配達員の男性4

宅配便

『宅急便』は、クロネコヤマトの「ヤマトホールディングス株式会社」が所有(※2020年3月)。映画『魔女の宅急便』のスポンサーにもなりましたよね。

旅

弾丸旅行

『弾丸ツアー』は、旅行会社「株式会社JTB」が所有(※2020年3月現在)

トランポリン

跳躍器具

創始者ジョージ・ニッセンの会社と提携関係にあった「セノー株式会社」が、1960年に商標を登録し、所有(※2020年3月現在)

鍵盤ハーモニカPSD背景透過パス付き

鍵盤ハーモニカ

『ピアニカ』は、製造・販売元の「東海楽器製造株式会社」および「ヤマハ株式会社」の登録商標です(※2020年3月現在)

カメラ51

インスタントカメラ・写真

2020年3月現在、「PLR IP Holdings, LLC」が商標を所有。

マジック2

フェルトペン

『マジックインキ』の商標権は、「株式会社 内田洋行」が所有(※2020年3月現在)

ufoキャッチャー

クレーンゲーム機

 『UFOキャッチャーは、1985年に製造・販売を開始した「株式会社セガゲームス」の登録商標(※2020年3月現在)

ルービックキューブ(切り抜きパス付・PSD背景透過)

六面立体パズル

ハンガリー生まれのこのパズルは、1980年夏頃に「株式会社ツクダオリジナル」から日本発売。その販売に先立ち、1980年4月に商標出願、1983年11月に登録され、その後、「株式会社メガハウス」に移転されました(※2020年3月現在)

 

 

ボビナム・男性と女性16

てすと

テスト

 

今回の同音異義語は、以下のような意味の違いがあります。
使う場面によって、正しく使用しましょう。
(※正確な語意や細かな差異については、辞書を調べてください)

 

①フシン

「不審」……疑わしいなと思うこと
⇒『審』の一文字で、「詳しく調べて明らかにする」の意味なので。
正体がわからず怪しいのは、「不審者」ですものね。

「不信」……誠実でないので、信用しないこと
⇒信じないから、「内閣不信任案」を出すんですもんね。

 

②タンタン

「淡々」……あっさり

「坦々」……何事もない 平ら 平凡

※ちなみに、「担々麺」は、道具をぶら下げた天秤棒を “担” いで売り歩いた麺なので、『担』を使います。

 

③タイケイ

「大系」……同じテーマや傾向の著書や文献をまとめて編集した書物のあつまり

「体系」……それぞれ個々の要素が、一定の規則や原理に基づいてまとめられている理論や組織

 

現状、新聞などでは「体型」と「体形」は、ほぼ区別はなく、「体形」に統一しているそう。
あえて区別するなら……

「体型」……体の形のタイプ(類型として比較するときに使う)
⇒「やせ型」とか「肥満型」とか。

「体形」……生物のカラダのカタチ

 

 

④レンケイ

「連携」……同じ目的を持つ同士がつながって、協力し合いながら物事を行うこと。

「連係」……いくつかの物事がつながって、お互いに密接な関係をもつこと。(協力するニュアンスは、特にありません)
 ⇒ 「提携」などで使うように、『携』は「手を携えること」。
   「関係」などで使うように、『係』は「つながること」と覚えるといいかも。

 

⑤ヘンザイ

「偏在」……かたよって、あるところにだけ多くあること。

「遍在」……どこにでもあること。
⇒読みも同じだし、漢字も似ていますが、意味はほぼ正反対なので、気を付けましょう。

 

岡崎社長

「体型」と「体形」は、ちょっと難しいかもしれませんね

 

今回の同音異義語は、以下のような意味の違いがあります。
使う場面によって、正しく使用しましょう。
(※正確な語意や細かな差異については、辞書を調べてください)

 

①イドウ

「異動」……地位や職務が変わること。
⇒ちなみに、勤務地が変わる時や、住民票が変わる時も「異動」を使います。

「移動」……物が物理的に動いて、位置が変わること。

 

②イシ

「遺志」……亡くなった人が生きていた頃に持っていたこころざし。

「意志」……その物事の実行を決意する積極的(前向き)な気持ち。

「意思」……自分の考えや思い。

 

③コウセイ

「校正」……印刷物の文章や文字などの、間違い・不具合を指摘すること。

「更正」……(税金や登記を)改めて直すこと

「更生」……生まれ変わること。転じて、よくない状態から立ち直ること。
⇒『会社更生法』は会社が生まれ変わるため、「更生」を使います。

「厚生」……生活や身体などを豊かにすること。
⇒またこの場合、『厚生労働省』は固有名詞なので、これしかない。

 

 

④サイゴ

「最後」……続いている物事の一番あと。

「最期」……命がなくなる時。死に際。
 

 

⑤ジテン

「自転」……(天体などが)内部にある軸を中心にして回ること。

「時点」……時の流れの、ある1点。

「辞典」……言葉の意味や文法、使用例などを説明した本。

「事典」……事柄の内容を説明した本。他と区別するために「ことてん」とも呼ぶ場合もある。

「字典」……の読み方や使い方を説明した本。他と区別するために「もじてん」とも呼ぶ場合もある。

 

岡崎社長

ちゃんと使い分けられたかい?

 

今回の同音異義語は、以下のような意味の違いがあります。
使う場面によって、正しく使用しましょう。
(※正確な語意や細かな差異については、辞書を調べてください)

 

①サイケツ

「採決」…… 会議の参加者が賛否の意思表示をして、物事を決定すること。「決をとる」

「裁決」…… 上の者物事の良し悪しを判断すること。(みんなでなくてOK)

 

②キョウセイ

「叫声」…… さけび声。

「嬌声」…… 女性のなまめかしい声のことで、男性の関心をひくための “つくった声” であるのが特徴。

 

③シアン

「思案」…… あれこれ考えをめぐらすこと。

「私案」…… 個人的な考え。

「試案」…… 試しに作った、仮の考え・計画。

 

④スイショウ

「水晶」…… 鉱物の一種。

「推奨」…… 人や物などが優れていると、人に勧めること。
 

 

⑤ドウシ

「同旨」…… 趣旨が同じであること。

「同志」…… 理想や目的を同じくする(思想を共有する)仲間。
  ⇒また、この場合は固有名詞なので『同志社大学』しかない。

「同士」…… 同じ仲間・種類。
  ⇒「いとこ同士」「男同士」などで使われるように、思想・志は関係ない。

 

岡崎社長

ちょっと難しかったですかね?

 

今回の同音異義語は、以下のような意味の違いがあります。
使う場面によって、正しく使用しましょう。
(※正確な語意や細かな差異については、辞書を調べてください)

 

①イガイ

「以外」…… 「~を除いて」

「意外」…… 「想像を超えて(想像の範囲を外れて)

 

②ウンコウ

⇒どちらも意味は「決まった軌道上を進んでいくこと」。

「運航」…… こちらは舟を表す『航』が付くのでわかるかもしれませんが、舟・船や飛行機の場合のみ使います。

「運行」…… こちらは陸の交通手段、または惑星などに使います。

 

③カイトウ

「解答」…… 「問題を解いて、“正解”を出すこと」

「回答」…… 「返事をすること」。なので、返事が様々な「アンケート」には、『回答』を使います。

 

④カギョウ

「稼業」…… “稼”ぐ仕事=「収入源とする職業」

「家業」…… ”家”の仕事=「その家で代々受け継がれて来た職業」

 

⑤キセイ

「既成」…… すでに存在するもの。

「既製」…… すでに “商品・製品として” 存在するもの。

「規制」…… 規律を守るために、“制限する” こと。

「規正」…… 悪い点を “正しくなおす” こと。
  ⇒また、この場合は固有名詞なので『政治資金規正法』しかない。

 

岡崎社長

結構わかっちゃいました?