色鉛筆の意外な(?)使用法~色トレス線ってなーんだ?~
アニメーションといえば、世界中にコアなファンもいるくらい、日本の代表的な文化になっていますよね。今は子供たちだけではなく、大人でも楽しんでいる人は大勢います。
アニメーションは、動きに合わせて一枚一枚絵を描いていくという大変な作業なわけですが、みなさんはアニメーションの元になる「原画」を見たことはありますか?
こんな感じなんですよ。
色鉛筆でいろんな線が描き込まれていて、ちょっと違和感があるというか、不気味な感じですね……
ですがこれをアニメーション制作用のソフトで読み込んで彩色すると、こうなります。
色鉛筆の線は、色と色の塗り分けの境目だったわけですね。
通常、人物や小物など、動かす絵の主線(おもせん:形を描いている線のこと)は黒で表現されています。
制作現場ではこの部分は主に黒の鉛筆やシャープペンシルなどで描かれていますが、影など色を塗り分ける場合、色鉛筆で線を引いて境目の印にするわけです。
人物の襟元のリボンの部分に注目してみてください。
先ほどの絵と違い、線が赤い色で描かれていますね。(ほかの部分は先ほどの絵と同じです)
これを彩色すると、こうなります。
リボンの形を描いている主線が、赤紫色になっているのが分かります。
主線を色鉛筆で描くことで、線そのものに任意の色を付けることができます。これによってさまざまな質感を表現したり、効果をつけることができるようになります。
例えば白い衣服の主線を青い色にすればその衣服の白さがより際立ち、また柔らかい質感を表現できますし、
金髪のキャラクターの髪の主線を薄い茶色にすれば、よりリアルな金髪を再現することができます。
このように、色鉛筆で描かれた主線のことを、「色トレス線」といいます。
この方法は、比較的どのアニメーションでも使われている方法です。
皆さんも、アニメを観る際、ぜひ気を付けて観察してみてくださいね。
旅スレを徘徊する絵師。ウサギとゴシック&ロリヰタをこよなく愛す。全体的に黒い。
梅干し大好き。 Macのこととなるとキョドりがち。フォカヌポウwww