うちのお母さん視点でチェックすると、広告はぐっと良くなる!?
いまがまとめ買いのチャンス!
「おいしい緑茶 2リットル」
●6本パック 1,296円(税込)●36本(箱入)4,832円(税込)
スーパーのチラシでよく見るこんな広告。
文字の間違いはなさそうだし、6本よりも36本を買った方が1本当たりの値段が高かった、なんてことも・・・なさそうですね。
一見、どこもおかしなところはありません。
うちの母なら、いそいそと36本入りを買いに行くかもしれません。
・・・そして、買わずに帰ってくるのです。
なぜでしょう?
帰ってきて母はこう言いました。
・・・お母さん、そもそもそんな箱入り商品は存在しません(笑)
これは常識のない広告の一例です。
プロの校正者は、クライアントの作った原稿どおりか、日本語に間違いはないかなどのチェックをした後に、うちのお母さん視点(=消費者視点)でスーパーのチラシを眺めます。
たとえ原稿どおりでも、消費者から見ておかしなところや誤解される表現がないかをチェックするのです。
ですからこんなチラシを見たら、
と指摘します。
こうした消費者視点でのチェックを、一部の校正会社では「常識チェック」と呼んでいます。
この場合の“常識”とは、「ごくごく一般的な生活をしている人が概ね持っている共通の感覚」くらいのものです。
でも常識って、時代や場所や経済感覚が異なれば通用しないものでもありますよね。
人気のテレビ番組『秘密のケンミンSHOW』がこんなにウケているのも、全国47都道府県の“トコロ変われば”な常識の違いが何ともエキセントリックに感じて面白いから。他県の常識に驚いたり笑ったり。でも地元の常識が笑われると腹立たしかったり。
常識って案外、中学校の学区内くらいの範囲でしか通用しないものなのかもしれないなぁ(最小単位は「我が家」でしょうか?)と、広告の「常識チェック」をしながら少し不安を覚える今日この頃でもあります。
そこの校正者さん!あなたの「常識チェック」は本当にみんなの常識ですか?
●節分に落花生をまく?
●すき焼きにさつま芋を入れる?
●タクシーのドアは自動で開かない?
●セミは2週間くらい生きる?
「常識だと思っていたけど実は違っていたこと」
けっこうありそうな気がしてきましたね。
そんな世の中の(私の?)間違った常識を、これからもいろいろご紹介していけたらと思います。こればっかりは「うちのお母さんが基準」というわけにはいかないものばかりですよ!
(つづく・・・?)