あなたもいかが?庶民のささやかな娯楽~不動産の間取り図
「不動産広告の間取り図を眺めるのが趣味」という人が結構います。
楽しいですよね。「豪華7LDKオープンテラス付き、特選!3億5千万円!」なんていうとても手の出ないような物件の間取り図を、「私ならここにアレを置いて、あそこにコレを置いて…」などとニヤニヤしながら妄想するのは庶民のささやかな娯楽です。
そんな不動産広告の間取り図ですが、いくつかルールがあります。まず壁部分と開口部を明確にすること。そしてその開口部の形状も、引き戸か折り戸か、ドア付きなのか羽目殺し窓なのか分かるように表現する必要があります。窓やドアの形って、生活動線の関係からも結構重要ですからね。
上の画像にもありますが「PS」「MB」はパイプスペース、メーターボックスです。水道管やガス管を通したり、電気などのメーターを設置する場所です。怪しい謎の隠し部屋ではないので安心してください。また、リビングルーム内に点線で表示されている部分は他の場所よりも天井が低いことを示しています。家具を置く位置などにとっても、必要な情報ですね。
家を買う、ということはほとんどの人にとって一生に一度の大きな買い物です。買う人に不利益が無いように、誇大広告は宅建業法で厳しく規制されています。なので、いかに「最高で抜群」の日当たりだったとしても広告にそう表示することはできず、「豪華な特選」住宅だとしても、そう記載することはできません。
さらに駅や近くの施設からの距離に関しても、「1分=80メートル」と規定されているので、「約5分」などの曖昧な表現はできません。「約」が使えれば何でもアリになってしまいますからね。ですから、上記の3億5千万円の物件の広告は不当表示でアウトということになります(笑)
最後に、上の画像の間取りには明らかな間違いがあります。分かりますか?
簡単ですね。これでは、トイレに入れません。
ドア部分を白く開ける必要があります。
こういった知識があると、間取り図を眺める楽しみが、また大きくなりますね。