俺氏、同人誌を作る。後編~オタク、本を完成させる!俺たちの戦いはこれからだ~
表紙用データ、本文の漫画、準備ヨシ!ちな本のタイトルは<とらべる・とらぶる!>これは旅する美少女が行く先々でいろんなハプニングに遭遇するという内容から、旅行といざこざを掛けた抱腹絶倒のダブルミーニング・タイトルで…(その後20分ほど説明が続く)
ハイ出た。オタク特有の超絶長話!誰もそんなんきいてないっつーの!だいたい貴様みたいな…(その後20分ほど説明が続く)
後はこれを印刷所に送ればOK!…じゃないんか。表紙や本文に使用する用紙を選べるんか?ほーん。厚みのある紙は本を豪華に見せられるけど重くなるので、イベント時は運ぶのが大変…本文用紙は、インクの乗りや線の再現など同人誌印刷に特化した用紙をいろいろなメーカーが開発しているので、内容に合わせて選べる…扱っている用紙は印刷所によってそれぞれだが多くの印刷所が紙見本を発行しているので、取り寄せて実際の紙を見てみるとよい…なるほど。では今回はこの美弾紙・コスモスというやつにしよう!適度な厚みがあって、しかも軽い!このコスモスの淡いピンク色が美少女を更に美少女にしてくれること間違いなし!そしてまた美男子である俺氏が美弾紙を使用するという抱腹絶倒のダブル(ry
表紙の紙は…と。これも色々あるな…カラー印刷で一般的なのはアートポスト180K。アートポストやマットポスト、コート紙などは表面が塗料で加工してある紙のことで、色が鮮やかに、キレイに再現できる。表紙の紙もそこそこしっかりした厚手のものでないと、本文ページを支えきれずにバラバラになってしまったりするので注意…か。本文ページに使う用紙やページ数を考慮に入れて選べば良いんですな!
おっ!なんぞこれ!?きらびきっていうのこの紙!?キラキラしとる!まるで真珠のような光沢…!手触りもシトーリとしていて何とも言えない優美な感じ…!こんな神々しい紙にこの美少女をフルカラー印刷してしまったら、あまりの美しさに世界中の人々が卒倒してしまうだろう…!いと罪深し!
何こいつキモい…キモいけど実際こんだけたくさんの種類の紙を見たらオタクじゃなくてもテンションは上がると思うよ。こんなにあるんだー!スゲー!!って絶対なる!DNAに刻まれし業!人はその本能を抑えることなどできないのよ!
やはり俺氏の妹氏…血は争えないな…。)
表紙用データをCD-ROMに焼いて、印刷発注書を書いて…不備があった時のための連絡用の電話番号も忘れずに記入して…完成した本の送り先は俺氏の自宅…と。
即売会などのイベント参加時は、その会場の該当スペースに直接搬入してくれたりもするんか!1回のイベントで何千冊も捌くという人気作家にはありがたいサービスですな!俺氏もいずれは…フフフ…
はいはい。じゃ、最後に原稿は全ページ揃っとるか確認わよ!
あっ!ノンブル一ヵ所入れ忘れてる!
あっ!よく見たら線がはみ出してるところがある!
あっ!ここ下描き消し忘れてる!
あっ!漢字間違ってる!
あっ!英語の綴り間違ってる!
俺氏、やらかしすぎじゃないですかね…見直しマジ大事。急いで直すべし!直すべし!!直すべし!!!
自費出版なんかで本を作る場合、この辺のいわゆる校閲・校正作業を引き受けてくれる専門の会社もあるんよ。そういったプロを頼ってクオリティを上げるのもひとつの選択肢よ(ドヤァ)
発注書、CD-ROM、原稿を揃えて、水濡れ防止の梱包をして封筒に入れる!そしてこれを印刷所に送るわけだが、最近の入稿方法は進化しとるんやな。紙を使わず全部パソコン上でデータ作成して、USBやCD-ROMに入れて郵送したり、印刷所が準備しているサーバにデータをアップロードして、文字通り完全ペーパーレスで入稿したりもできるんですと!?
印刷所にもよるけど、サーバを使って完全データ入稿をする同人作家さんが今や8割を超えてるそうよ。自宅に居ながら入稿作業ができるからその分〆切が延びるし、ミスった場合に差し替えもカンタン。コミケとかそのほかの同人誌即売会でも、参加申し込み自体がほぼオンラインに移行してるし、自然な流れかも知れんね。
もちろん、全部紙に描いて、印刷所の受付窓口に直接持ち込むこともできるやで。すぐに内容を確認してくれるから、不備への対応がスピーディーかつ確実やで。アドバイスをもらって発注内容をその場で変更することもできるし。でも目の前で描いた原稿読まれるのは控えめに言って死ねる。
入稿作業は無事死亡。…じゃなくて無事完了!本を作るっていろんな作業があって大変なんだな。当然〆切とかもあるし。でもなかなか楽しかったゾ。紙って一言で言ってもたくさん種類があるし、色インクで本文を印刷するのも面白そう。多色刷り、って言って本文ページなのに2色以上の色を使って印刷することも可能とか楽しすぎか!!表紙をツルッツルに加工したり、逆にマットな感じにしたり。あえて単色刷りにしてシックな感じにしたり、和紙っぽい紙を使って趣ある表紙にするのも気品あふれる俺氏にふさわしいと言えよう…。折り込みポスターを入れたりもできるらすぃ。遊び紙っていう、キレイな色や模様のついた紙を表紙と1ページ目の間に挟んで、オサレ感のある仕上げにするのもいいな!
フフフ…オタクはこうやって沼にハマって行くのよ…!!
こうして出来上がった本は、いわゆる「同人誌即売会」で頒布したり、最近は専門のネット通販サイトなんかもあるからそこに委託して、欲しい人に買ってもらう、というやり方があるらしい。それとは別に、自叙伝とか目録とか、旅行のしおり、簡単な卒業文集なんかも同じ手順で作れるお。個人的に配布するものを作るのにも便利だおな。
今回は俺氏の才能あふれる漫画を同人誌という形で本にしたわけだが、俺氏が個人的に大変興味を持っている鉄道模型の作成過程や写真撮影技術、熱い仲間たちとの触れ合い、またそれにまつわる深い歴史などを微に入り細に入り詳細に調べつくしたレポート本や、人気同人作家として華やかなスターダムを駆け上がっていく俺氏のサクセスストーリー、はたまたやろうと思えば1ページずつ用紙やデザインを変えたノートなど、「本」という名称にとらわれない楽しいものもまだまだ作れそうゾ!
さあ、次はどんな本を作ろうかな?
旅スレを徘徊する絵師。ウサギとゴシック&ロリヰタをこよなく愛す。全体的に黒い。
梅干し大好き。 Macのこととなるとキョドりがち。フォカヌポウwww