4年に1度とは限らない!?「夏季スポーツの祭典開催年=うるう年」のワナ
※アイキャッチ写真はイメージです。2020年の2月29日は土曜日です。
校正でカレンダーを確認するのは重要な作業です。
曜日と日付は間違えたら大変ですよね。
カレンダーを校正することもあったりして、
新しいカレンダーをみると、1年間の日付を思わず確認してしまいます。
すると今年2020年の2月は29日まで、つまり「うるう年」だなと思うのです。
そんな話をすると「夏期スポーツ祭典の年は、”うるう年” なんだよ」という話になるのです。
……ということは(ひらめき)
と安易に思っていた私なんですが……
ある友人に「必ずしも4年に一回ではない」と言われ、
??????になった最近です。
そもそも “うるう年” って何?
世界で主に使われているのは、
太陽暦の「グレゴリオ暦法」。
その暦は365日と決められているのですが、実は地球の公転速度とのズレにより発生する日が出てしまうのです。
地球が太陽を1周りするのに約365.24219日かかり、0.24219日の誤差が出ます。
その誤差を補う年が “うるう年” ということになるのです。
(編集部注:もっと正確に言えば、地球が太陽を1周りするのに約365.24219日かかるのですが、グレゴリオ暦では「365.2425日」と定めているため、ここでも数千年で1日のズレが生じるそうです(国立天文台ホームページより))
その語源は、中国
この“うるう年” 、漢字で書くと『閏年』となるんですが……
『閏』はもともと、王様が門に居ることを表す字で、
王様が閉じこもって政務をしない日のことを「閏日」と言ったことからきているんだそう。
ちなみに和暦(月の満ち欠けを基準にした「太陰太陽暦」)では2~3年に1回、1年を13か月とする「閏月」が発生するんだそうです。
うるう年の計算方法とは…?
まず、うるう年を確認する計算は2パターン。
①4年で割り切れて、100年では割り切れない。
②4年、100年、400年の全てで割り切れる。
……???ですよね
例えば
2020年
2020÷100=20.2
100で割り切れないので「うるう年」。
でも80年(4年×20)後の
2100年 は…
2100÷100=21
割り切れてしまったので「平年」、つまりうるう年ではないのです。
ちなみに20年(4年×5)前の
2000年 は…
2000÷100=20
2000÷400=5
100で割り切れても、400で割り切れたので、「うるう年」になるのです。
これ実は、「4年に1日プラス」だと足し過ぎになってしまうんだそうで……
この過剰分は400年で「約3日オーバー」になるとのこと。(日本時計協会HPより)
(ですから、ちゃんとしたうるう年の定義は「4年に1回」ではなく、「400年に97回」が正しいんだそう。)
そのため、100年目、200年目、300年目の3回分をカウントしなければよいので、
「100で割り切れるけど、400で割り切れない年は平年」と定義しているのです。
あのアニメのように、万が一、「夏のスポーツイベント」が中止になることになっても、
これでバッチリ確認できますね。
なぜプラスされる日が「2月29日」なの?
先ほども参考にした「国立天文台」の公式サイトによれば、
これは、「グレゴリオ暦」のもとにもなった、
かつて古代ローマが作った暦に基づいているから。
どうやらその暦では、2月が1年の最後の月とされたんだそうで、
うるう日が最後にくっつけられるのもそうですが、
そもそも2月が「28日まで」なんて中途半端なのも、そのせいなんだと言われています。
(※諸説あり)
2月29日誕生日の人はどう年をとるの?
そして、この貴重な年に生を受けた「2月29日誕生日の人はどう年をとるの?」と気になりませんか?
うるう年だけ年を数える?
そんなことはありません。
きちんと誕生日を迎える日時刻が決まっているそうです。
国の法律、明治時代に民法にて記載されています。
“民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号) 「第百四十三条」
(暦による期間の計算)
第百四十三条 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。”
前日に満了と言うことは……
28日の終わる瞬間に年が加わるという訳です(驚)
誕生日のお祝いも一瞬なんですね……
うるう年の記念日
さらに、たまに訪れる年ならではの記念日があるに違いない!というわけで調べてみました。
……『肉の日』じゃ!ってそれは毎月ありますよねw
男性には複雑なヨーロッパの記念日
うるう日のことは英語で『跳躍の日(Leap Day)』。
曜日を1つ飛び越える(leap)ことから名づけられたそうです。
そして「飛び越えて気持ちを伝える」という意味にもとらえられ、
(かなり以前のことらしいのですが)ヨーロッパでは2月29日に女性からプロポーズされた男性は断ることが許されず、拒むためには罰金を払うか、絹のドレスを贈らなければいけないという法律があったそうです。
いやはや、意中の女性からなら心躍ったことでしょう。
でも複数来た場合はどうするのだろう?などとも考えてしまいます。
はっ!複数の女性にプロポーズを受けた男性は出費が多い年になるのですね……
モテる男は財布もツラい。
円満離婚の日
「離婚式」プランナーの方が制定した、この記念日。
もともと1年の中で離婚率が高いのが、3月の前日なんだそうです。
名前だけを聞くと後ろ向きな記念日のように思えてしまうのですが、
『2人に福(29)あれ』という語呂合わせもあったり、「婚姻に囚われているのが、2人にとって本当に幸福なのか?」など夫婦の絆を見直す日として前向きに考えられて、
一般社団法人・日本記念日協会によって認定・登録されたきちんとした記念日なんですよ。
富士急の日
語呂合わせで「フ=2、ジ=2、Q=9」ということで、4年に一度の2月29日は「富士急の日」なんだそう。
2016年には富士急ハイランドが入園料無料のほか、「宝探しイベント」(お宝は「現金22万9千円」「お米229 kg」「富士ミネラルウォーター229本」など)も開催されたり、富士急グループ40施設で様々なイベント・キャンペーンを展開していました。
(編集部注:今年は2月23日(富士山の日)と2月29日(富士急の日)に、「Than-Q Festival 2020」を開催予定でしたが、新型コロナウィルス等の影響により、安全面を考慮して、イベント中止となりました)※詳細はこちら
ニンニクの日
ニンニクを使った健康食品を取り扱った会社が制定。
現在はニンニク生産量日本一の青森県田子町が、 “にんにくを知り、味わい、感じ、楽しむこと” をテーマに、『たっこにんにくまつり』を開催しています。
(編集部注:今年2020年の「第13回たっこにんにくまつり」は、新型コロナウィルス等の影響により、安全面を考慮して、イベント中止となりました)※詳細はこちら
私的にうるう年ってやっぱり不思議で特別に感じます。
たまに訪れるうるう年を楽しみましょう!