クールジャパン!ベルギーのアニメフェス『MADE IN ASIA』探訪記
こんにちは。海外のオタク系イベント大好きのドクトルFです。
海外で、日本発のアニメやマンガなどのイベントというと、何それ? クールジャパン?と思う方もいるのではないでしょうか?
政府による「クールジャパン」戦略が正式にスタートしたのは、2013年に海外需要開拓支援機構(愛称:クールジャパン機構)が設立されてから。でも実はそれよりもはるか以前の1990年代には、すでに数多くのイベントがスタートしていたのです。当初は日本のアニメ、マンガ、ゲームが中心だったイベントは、いまやコスプレ、アニソン、ビジュアル系、アイドル、カワイイなどなど、”日本のポップカルチャー”を多様に含めた祭典となりました。
毎年春から秋のイベントシーズンを迎えると、北米、南米、カナダ、中国、ヨーロッパ、アジア圏で、毎週末どこかで(複数か所)行われ、International Otaku Expo Association(国際オタクイベント協会)にも46の国と地域(2018年12月25日現在)が加盟しているほどです。
日本発のアニメが海外で「一部マニアのもの」 から「映像趣味」 として一般の人々にも広がっていったことや、各コンベンション事情、実際の人気やその評価などはいくら文字数があっても足りませんので、ここではご勘弁ください。
(※詳しい事情はアニメーションビジネス・ジャーナル (https://animationbusiness.info/)を読まれるとよいかと思います。)
さて、今回は私が実際に体験してきた海外イベントについて紹介しましょう。
ベルギーで行われた
です。
北米での”日本発アニメ・マンガのイベント”は1990年代にスタート。2000年から始まったフランス・パリの『Japan Expo(ジャパン・エキスポ)』をはじめ、ヨーロッパ各地で開催されています。
そんな中、『MADE IN ASIA』はスタートして11年目を迎える比較的新しいイベント。アジアと冠しているものの、そのほとんどは日本のアニメやマンガ、ゲームなどのようです。
私はこのイベントのゲストとして招聘されたアニメーター吉松孝博氏に同行し、サイン会を中心に会場を見てきました。
今回のゲスト:吉松孝博(よしまつ たかひろ)
【プロフィール】
8月27日生まれ。大阪府出身。スタジオライブ所属。
最近作『宇宙よりも遠い場所』『からくりサーカス』総作画監督。
サムシング吉松名義で漫画(本人曰く”インチキ漫画家”)も。
ベルギーは、フランスの隣にある国で、正式には「ベルギー王国」といいます。九州の8割くらいの国土で、人口約1,100万人。このイベントはその首都ブリュッセルにて
2019年3月8日~10日の3日間で開催されました。
会場は5ホールに分かれ設置されています。日本にある場所で言えば、幕張メッセが近い作りでしょうか。(わからない方はごめんなさい)
2つのホールを使うゲームゾーンでは最新ゲームを体験できる任天堂ブースなどデジタルゲームのほか、カードゲーム、ボードゲームといったアナログゲームも人気。もっとも、ヨーロッパ(特にドイツ)はボードゲーム人気が根強いんです。
そして、ショップの連なるホール。週末土日は歩くのも困難なほどのひと、ひと、ひとです。
秋葉原などで外国人が来ているTシャツに「どこで買ったんだろ?」というよくわからない日本語が書いてあることがありますが、そんなTシャツもしっかり売ってました(笑)。
『お寿司』『いただきます』などのかわいいデフォルメイラストが添えてあるものから、『エロアニメ』なんてものまで多種多様(笑)(画像はご勘弁ください)
よく見ると自分で描いた絵や同人誌を売っているアーティストも混在しています。
そして、いよいよサイン会とコスプレビレッジ(コスプレ撮影用エリア)のホール。
1日2回のサイン会ですが、みんな開場と同時にチケットを取ります。運良く早めの番号(30番まで)を受け取ることができれば、サイン会の権利をゲットです。さらにその中から抽選で5人には、色紙などにイラストを描いてもらえる特典付き!!吉松さんも大人気です!
その30名に入れなくとも、31番目をめざして早くから並べば、時間内であればサイン会の権利を受けられるので、早くから並んでいる人もいます。
何時間も並んだファンたちの満足そうな笑顔を見ると、こちらも嬉しくなるもんです。
そして最後が、ステージと休憩のホール。ここで長蛇の列の人気だったのは「おにぎり屋」でした。
ラーメンなどの日本食はありますが、このシンプルな日本食のほうが”アニメによく出てくる”ため、「一体どんな食べ物なんだろう・・・?」と思っている人が多いんだとか。(店頭には「『のり』は黒い紙ではなく食べられます」との注釈も!)
アニメで「おにぎりを食べているカット」が、抜き出して店内に飾ってありました。
気になる値段は、おにぎり1個(結構大きめですが)で4.5ユーロ。ええっと、1ユーロ=127円で計算すると・・・約572円!
おにぎり1個としてはなかなかのお値段ですが、「アニメで見ていて謎だった食べ物が味わえる!」と思えばよいのかも。ちなみに具はツナマヨでした♪
今回の『MADE IN ASIA 2019』の入場者数は3日間で7万人。この先もさらに大きくなることが予想されます。
”キャラグッズを買い、ゲームで遊び、マンガを読み、日本からのゲストにサインをしてもらう。”
北米でもアジアでも見る風景ですけど、そうしたイベントの規模は世界的に大きくなっているようにも思います。
1993年にスタートした北米最大のアニメイベント『Anime Expo』は、現在4日間で約35万人もの入場者数があります。この先もさらに伸び続けるでしょう。
それに続いてスタートしたフランスの『Japan Expo』とともに、こうしたイベントに参加するアニメファンはヨーロッパでも増えていくでしょう。
開場と同時に走り出すひと、コスプレ(マスカレード大会といって舞台上で寸劇を行って大賞を決めるもの)、ゲーム、キャラグッズなどなど・・・
今回の会場の様子は、公式FacebookにあるAfterMovieを見ていただくと実際の雰囲気がつかめると思います!
『MADE IN ASIA』公式Facebook
(https://business.facebook.com/LeSalonMadeInAsia/)
また、2019年9月28日、29日には『Rétro Made In Asia』という、今回の『MADE IN ASIA』から派生したイベントも行われます。そちらもお楽しみに!
最後に、今回アテンドしていただいたフランスでマンガ翻訳をされているファビアンさん、HEROESのミレさん、通訳アレクサンドルさん(20歳の医大生!)、そのほかといってしまって申し訳ないけど、『MADE IN ASIA』の110人以上のスタッフのみなさん、そして日本からのゲストの佐藤好春さん、釘宮さん、野田さん、ありがとうございました!