「さんまは目黒にかぎる!」・・・って、なんで目黒でさんまなの?~第24回「目黒のさんま祭り」
9月に入ると、もう秋!
秋の味覚と言えば「さんま」ですよね。
でも今年はさんまがかなり不漁というニュースもあって、ちょっと心配・・・
ところが、そのさんまを無料で食べられるイベントがあるんです!
それが毎年9月上旬に開催される「目黒のさんま祭り」。
今年2019年は9月8日(日)開催[10:00~14:00(終了予定)]となります。
この祭りは目黒駅駅前商店街で岩手県直送のさんまを炭火で焼き、無料で食べることができると大好評なんです。毎年3万人以上が訪れる大きな祭りで、早朝から並ばないとさんまが食べられないということもあるんですって。
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でも、海が近いわけでもないのに、なぜ目黒でさんまなの・・・?
実は『目黒のさんま』という落語があり、それがきっかけとされているんです。
えー、江戸時代、お殿様が「早駆け」、今でいう「ツーリング」に目黒へおでかけになったんですがね。
その時、立ち寄った百姓の家で出されました、脂ののった旬の「焼きさんま」を召し上がると、普段豪勢な食事ばかりしているお殿様にとって、庶民が食べるさんまは大変美味しく感じられたんだそうでございます。
そこでお殿様、お城に帰りまして、家来にさんまを出すように命令いたします。
ところが、家来は初めてさんまを出すため、気を利かせて脂抜き・骨抜きにして蒸し、食べやすいようにして出しちまった。そのさんまを食べたお殿様は美味しく感じられず、「さんまは目黒にかぎる!」と言い放ったのでありました。
(※噺家によって多少アレンジが違いますので、ご了承ください)
この落語にちなみ、商店街を盛り上げようと「目黒駅前商店街振興組合青年部」が立ち上がり、『目黒のさんま祭り』が始まりました。そんな祭りも今年2019年で24回目を迎えます。
また、さんまを食べるだけでなく、品川区立上大崎特別養護老人ホームで「寄席」も無料で開催されます。寄席は第四部まであり、 各回先着200名様まで。すべての回で落語『目黒のさんま』が披露されます。
実は本サイト『Proof Reader』にもこの寄席を観に行ったことがあるライターがおりまして・・・
5年前(2014年:第19回)になりますが、私、ライターの坪内悟も参加。
目黒駅から見えたのは、さんまを求める人の長蛇の列。みんな傘さしたり、レインコートを着て「ずぶぬれになってでも、旬のさんまを食べたい!」というその執念には驚きました。なんと午前中の行列は、目黒から五反田までのびていたというからビックリですよね。
しかし、わたしのお目当ては、「目黒のさんま寄席」。
昔から友人の落語家「立川志らら」さんが『目黒のさんま』を高座にかけました。志ららさんは、いまやテレビで大人気の立川志らく師匠のお弟子さんで、この1年後の2015年に真打昇進。いまでも目黒のさんま寄席に参加しています。
また、実行委員会の寄席係長で、そしてなによりこの『目黒のさんま祭り』の発案者でもある放送作家の「ベン村さ来」さんも、私が若かりし頃、仕事で大変お世話になった方なのです。
「さんま食べてから寄席観ようかな♪」なんて思ってましたが、さんまの行列はこの時間でも、整理の係員さんがたしか「3時間とか4時間待ち」と言っていたため、即座に断念。
それでも、寄席の整理券は2時間前くらいにはもらっておかないと入れない盛況ぶりだったので、ちょうどよかったです。
しばらく会場をうろうろした後、会場へ。
この年の会場は、駅近くの誕生八幡神社でした。
立川志ららさんの他にも、落語家さんや東西漫才研鑽会『お笑いセメントマッチ』のメンバーが出演。
またこの年は、かつて女芸人「相馬ひろみ」として活躍した藤本芝裕さんが三味線も披露。
観客ぎっちぎちで大入りの小さな会場は、大きな大きな笑い声に包まれました。
今年の寄席には、ギター漫談としてたけし軍団「グレート義太夫」さん、そして「〆さばアタル」さんのトリオ漫才『アタリヤ』、オンエアバトルなどに出演していた漫才の『エルシャラカーニ』などが出演。立川志ららさんも二部と四部に出ますよ!もちろん木戸銭は無料です。
くわしくは「目黒のさんま祭り・目黒駅前商店街振興組合青年部」の公式サイトをチェック!
9月上旬に開催されるとはいえ、まだまだ暑いという予想ですので、祭りに参加される方は熱中症対策をして行ってくださいね!
『ヒットの潮流』班
当サイト『ダンラク』の運営会社・株式会社ダンク内のトレンドリサーチチーム
ライター。俳優や放送作家、ラジオパーソナリティ(かわさきFM『平成POPオヤジーズ』放送中)としても活動。