校閲女子によるアートな“夜遊び”のススメ
社会人こそ「アート」に触れよう!
みなさんは最近いつ、美術館や博物館へ行きましたか?
いま、趣味としてだけではなく
“ビジネスにおける教養”
のひとつとして、アートを学ぶ社会人が増えています。
欧米においてはすでに世界の大企業の研修や名だたるビジネススクールが「アート」をビジネススキルの一環として取り扱っており、
近年ではMBAと並び、MFA(美術学修士・Master of Fine Arts)の資格を持つ人材が高く評価されているそうです。
Appleの元CEO故スティーヴ・ジョブズ氏をはじめ、アートに親しんでいた世界的企業の経営者も数多く、
日本でも2017年にZOZOの前澤友作代表取締役社長が米国のアーティスト・ジャン=ミシェル・バスキア(1960-1988)の絵画をなんと1億1050万ドル(約123億円)もの高値で落札したことで話題になりました。
そうした潮流を受け、近年ではアートをビジネススキルとして取り上げるメディアが急増し、下記のような書籍も続々と刊行されています。
●『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』
(山口 周著,光文社新書,2017年)
●『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』
(木村 泰司著, ダイヤモンド社,2017年)
●『世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいること』
(ニール・ヒンディ著,長谷川 雅彬監修, 小巻 靖子翻訳,クロスメディア・パブリッシング(インプレス),2018年)
●『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』
(秋元 雄史著,大和書房,2018年)
アートを学ぶことで得られる
「感性」
「創造性」
「直感力」
「絵画の背景にある歴史・文化的知識」
などは、デザイナーなどのようなクリエイティブ職の方々はもちろん、経営や商品開発、また国際的に活躍するビジネスマンにとっても大きな武器になるでしょう。
“夜遊び”しよう!
とはいえ、忙しい日々の中でミュージアムへ行く時間を確保するのはなかなか難しいもの。
しかも、最近の美術館や博物館はやたらと混んでいますよね。
人気の展覧会ともなれば、土日は館内に入るだけでも1時間、2時間待ち、なんていうことも。
でも平日の昼間は仕事があるし……という方も多いはず。
そこで、私がおすすめしたいのが
週末の「夜間開館」です!
多くの美術館・博物館が行っている金曜(美術館によっては土曜、他の曜日の場合も)の夜間開館は、
平日・休日の日中よりも比較的混雑が避けやすく、落ちついた雰囲気の中で作品を鑑賞したり、作品解説を読めたりするので、
普段あまり美術館や博物館に足を運ぶ機会がない方でもゆっくりと楽しむことができます。
明日は休みだ!という開放感のせいか、感受性もより豊かになる……ような気も。
さらに、ライトアップされた建物は雰囲気も最高!
世界遺産に登録された国立西洋美術館をはじめ、美術館・博物館には名建築が多く、まさに建物自体が芸術品のよう。
夜のミュージアムは昼間とはまた違った魅力があります。
このように、週末の美術館・博物館での“夜遊び“は、
1週間の仕事で疲れた脳に、世界レベルの「美」と「クリエイティビティ」をチャージする
まさに絶好のタイミングと言えます!
あなたもぜひ、夜のミュージアムに足を運んでみてはいかがでしょうか。
【夜間開館(18時以降)を実施しているおもな美術館・博物館まとめ(23区内)】
《上野近辺》
●国立西洋美術館(金・土/9:00-20:00)
●東京国立博物館(金曜・土/9:30-21:00)
●国立科学博物館(金・土/9:00-20:00)
●東京都美術館(金/9:30-20:00)
●上野の森美術館(企画展によって大幅に変動あり)
《新宿・渋谷・恵比寿近辺》
●Bunkamuraザ・ミュージアム(金・土/10:00-21:00)
●東京オペラシティ アートギャラリー(火~木・日・祝日/11:00-19:00、金・土/11:00-20:00)
●東京都写真美術館(木・金/10:00-20:00)
《赤坂・六本木近辺》
●国立新美術館(金・土/10:00-20:00)
●森美術館(火以外/10:00-22:00)
●サントリー美術館(金・土/10:00-20:00)
《丸の内近辺》
●三菱一号館美術館(金/10:00-21:00)
●東京国立近代美術館(金・土/10:00-20:00)
●出光美術館(金/10:00-19:00)
《両国》
●東京都江戸東京博物館(土/9:30-19:30)
《品川》
●原美術館(水/11:00-20:00)
※上記の時間はあくまで目安となります。季節や開催中の展覧会の会期などによって、開・閉館館時間は変動する場合があります。また、閉館時間は「最終入館時間」ではないのでお気をつけください。詳しくは各ミュージアムの公式インフォメーションにてご確認ください。
Kao
校閲士・美術史修士。大学在学時に旅行したイタリアでアートに魅せられ、独学で美術史を勉強し大学院に入学、修士号を取得。
趣味はアート、歴史、ファッション、旅行、ご当地テディベア集め。
好きな画家はクリヴェッリ、クラーナハ(父)、モロー他。