【旅】燃える天然記念物! 伊豆半島の春を告げる大室山の丸焼きを見よ<大室山 静岡県伊東市 >
都会での忙しい毎日に疲れたら、ふらっと旅に出てリフレッシュしてみませんか?
シリーズ『町旅』は、そんなあなたを癒してくれたり、
改めて日本の魅力を再発見できる「ニッポンの旅」をご提案します。
毎年2月の恒例行事はあまたあれど、その迫力で群を抜くのが、700年余りの歴史を持つ伝統行事『大室山山焼き』です。
大室山は伊豆半島伊東市にある標高580mの独立峰で、単成火山の典型例として2010年に国の天然記念物に指定された名峰です。
お椀を逆さにしたような美しい形はまさに絵に描いたような山容で、火口のなかには大室山浅間神社という神社も存在しています。
そのためか2016年に大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』に登場する山に似ているとネットの一部で話題にもなりました。
特徴あるシルエットは東伊豆の様々な場所から確認でき、個人的に東伊豆のランドマーク的な存在だと思ってます。
それではさっそく向かってみましょう。
大室山は歩いての登山は禁止されていまので、こちらのリフトに乗ります。
リフトに乗れば山頂まで6分。
ちょっと怖がる人もいそうな角度でぐんぐん登っていきます。
そして、あっという間に頂上のお鉢に到着。
お鉢は歩いて一周できるので、晴れていれば富士山や伊豆七島など、360度の眺望が楽しめます。
ただし、風が強い時があるので、リフトに乗る前に上着を一枚持っておいた方がよいでしょう。
さあ、待ちに待った今回のお目当て、「山焼き」が始まります。
なんと、カヤで覆われた山に火をつけて全体を焼き上げてしまうという、年一回の大イベントなんですって。
午前中に噴火口内が焼かれたあと、式典を挟んでから山全体に火をつけます。
先着順(有料)で山に火をつける権利を得た一般の方たちが、消防団とともに山麓に散らばり準備万端。
観ている方の期待も最高潮に達する瞬間です・・・!
本部の合図とともに点火されるのですが、最初はチロチロとした火がいくつも上がっていくだけ。
「これで山が燃えるの? 」と不安になりますが・・・
中腹のやや下あたりから、合流した火炎が一気に勢いを増し、バチバチという音とともに盛大に燃えはじめます!!
けっこう離れていても熱さを感じ迫力満点!
巨大な火炎はそれだけで人を興奮させる力がありました!!
※取材時とは年が違いますが、こちらは2021年の模様です(大室山登山リフト YouTubeチャンネルより)
舞い上がった煤と煙で空も急速に暗くなり、以前訪れたときは龍のように渦をまいて舞い上がる気流も発生!
本当の山火事の恐ろしさを想像してしまうとともに、貴重な現象を見ることができて感動でした。
これは山焼きで焼かれたあとの火口内。
正面に見えるのはリフトの駅で、そこから火口内に続く階段を下りると、安産と縁結びにご利益があるといわれる「大室山浅間神社」が中腹にあります。
さらに、火口の底まで降りるとなぜだかアーチェリー場が? ここでは観光客向けのお手軽体験なども用意されています。
ちなみに・・・山焼きの実施は毎年2月の第2日曜日というコトになっているのですが、雨風や積雪などの状況により延期になることも多いです。
早いうちから予定を立てても無駄になることも・・・記憶では3月まで引っ張ったこともあるので、大室山リフトの公式サイトなどで開催状況を確認してからお出かけください。
サイトで開催されることを確認をしたら、素早く行動に移れるフットワークが重要。
もしくは「行って中止になったら釣りでもするか~」ぐらいの軽い気持ちでむかうのもオススメですよ。
【延期時のオススメ】
延期が続くと桜が咲き始め、花見も一緒に楽しめるというメリットが発生します。
山焼きの見物スポットである「さくらの里」は、その名の通り桜の名所。
そこがまだ咲いていない場合は、早咲きで有名な「河津の桜まつり」まで足を伸ばすと良いでしょう。
(※編集部注:この現地取材は2017年に行われました)
※編集部注:記事内で紹介したスポットは現在、ウィルスの影響で営業時間の変更や休業されている場合がございます。
お出かけ前に必ず、施設の公式サイトなどでご確認ください。