残業減らせ!でも結果を出せ!・・・そんなムチャを達成する方法
某メーカーのマーケティング部に勤めるAさんのこんな嘆き、いまどきけっこうありがちな話かと思います。これって、まさにグレゴリー・ベイトソンが名付けたダブルバインド(二重拘束)っていう状態ですよね。両立できない二つの命題に挟まれて、身動きができない状態。
でも、ちょっと待ってください。いちど冷静になって、自分が当事者ではなく、他人の事だと思って外側から考えてみてください。ボヤきたい気持ちはわかるとしても、けっきょく愚痴が客観的な状況を改善することがないのは誰にでもわかることです。
さて部長さんは何を言っているのでしょう?いちばんのポイントは「創造的な仕事をしなさい」そう言っているのですよね。しかも「残業は少なくするように」と。客観的に考えれば、その部長さんが言うことは正しいですよね。Aさんだって、それは分っているのです。だからなおさら腹立たしいのだともいえます。
では何が問題なのでしょうか?問題は、実際には、Aさんは目の前の作業に追われて、それだけで手一杯、創造的な仕事をする環境ではないというところです。
・管理職なんだから状況を改善する責任があるでしょう!
Aさんのイライラや困惑はここにあります。
さて、たしかに管理職なんだから自部署の環境改善を考えるべき責任が、部長さんにあるというのは正しいでしょう。でも、もしそうだとしても、Aさんは毎日作業に追われて忙しいばかりで創造的な仕事をする余裕がない、そんな状態がAさんにとっても会社にとってもいいわけではありません。放置すべきではないのです。
この状態を解消する方法は、大きくいって二つです。ひとつは部署の社員を増やして余裕をつくることです。でもこれは、部署の成果が目に見えて上がっていることが条件かもしれません。部長さんだって、自由な人事権はないでしょう。成果を出すために創造的仕事をすべきなんだけど、目に見える成果がなかなか出せないので余裕を生むことも難しいという状態。管理職として焦る気持ちもあるかもしれません。
さて、ではもうひとつの方法とは何でしょう?まさに問題は、手一杯になるほどの目の前の作業なのです。「作業だけで満足するな!」部長さんがそう言うように、作業に忙殺されていては会社の業績アップにつながる創造的仕事ができないということです。この作業を何とかしなければいけないのです。
どうでしょう?わかりましたか?もうひとつの方法?
そうですよね、まさに“作業”なんですから、アウトソーシングすればいいんです。もちろんAさんの裁量ではできないでしょうが、部長さんに提案すればいいんです。
・・・ってね。会社にもよるでしょうが、人事を動かすよりハードルは低いはずです。
部長さんだって、日ごろから状況改善をしたいと思っていたけど、人事に希望が通らないので困っていたのかもしれません。
そう聞かれたら、
はい、それなら、すでに目星はつけてあります
こう答えられれば100点ですよね。
ダブルバインド状態で毎日ボヤいていても、なにもはじまりません。ちょっと視点を変えてみると、ダブルバインドと思われた状態にも、ちゃんとしたソリューションが見つかることがあります。