カ・マテ! カ・マテ! ほとんど知らなくても間に合う ラグビーの3つの楽しみ方
池井戸潤さん原作・大泉洋さん主演のドラマ『ノーサイド・ゲーム』もいよいよ最終回。そしてその直後の来週9月20日からはいよいよW杯・日本大会も開幕!
日本でもラグビー熱があつくなっていますよね。
「でも、いままでラグビーなんて全く知らないよ~」・・・というあなたに、この波に今からでも間に合う(かもしれない)ラグビーの3つの楽しみ方を伝授しましょう。
これだけは!ラグビー観戦に
最低限必要な3つのルール
「ルールがよくわからない」・・・ゲームを楽しむにはルールを覚えることが大前提。でもいまから間に合わせるには、ざっくりと教えるしか方法はないですね。
一言で言えば、ラグビーは1チーム15人の選手たちが、相手方の得点エリアまで楕円形のボールを運びあうスポーツです。
そして、最低限覚えておくルールは
・うっかりボールを前に落とさない(ノックオン)
・ケガをさせるような危ないタックルは禁止(ハイタックルなど)
の3つだけ。これで観戦準備もOK・・・なはずですw
もっと詳しくルールを知りたい方は、説明動画もある「公益財団法人日本ラグビーフットボール協会」の公式サイトをチェック!
実際に試合を観に行ければベストですが、行けなくてもテレビ中継があります。
百聞は一見にしかず。ぜひ一度、試合を観てみてください!
迫力のウォークライで試合前からアドレナリン全開!!
「いや、ルールを覚えるの自体めんどくさい!」・・・え――――。
じゃあもう、ルールとか関係ない楽しみ方を教えますよ!
それは、試合前の「ウォークライ」(War Cry 鬨の声、勝鬨の意味)。
屈強な大男たちがスタジアム全体に響き渡る大声とド迫力の動きで威圧し、それを対戦チームは肩を組んで対峙する。その光景は、見ている観客も熱くなります。
トンガ、サモア、フィジーの南太平洋勢も試合前にウォークライを行いますが、やっぱり前回2015年のW杯・イングランド大会も優勝したニュージーランド(以下NZ)代表『オールブラックス』の「ハカ」は別格です。
その強さとあいまって「ハカ」は当時世界的な人気を呼び、日本でもパロディにしたCMが話題となりました。現在では“ウォークライ=「ハカ」”と言われるほどです。
1905年のオールブラックス欧州遠征から始まったといわれる、試合前の「ハカ」。もともとは、NZの先住民マオリ族の戦い前の儀式で、「神と関係者や観客に感謝と敬意を表すため」に行ったといいます。
現在オールブラックスが行う「ハカ」は2つあり、試合の重要性や対戦国に応じて、「カ・マテ」「カパ・オ・パンゴ」のいずれかが行われています。
しかし、その挑発的な動きや舌を出す、首をかき切るポーズなどが問題となり、「ハカ」をめぐってはグラウンドのみならず、国際問題寸前にまでなったことも。W杯2007年大会のNZ対フランス戦ではあわや試合前に大乱闘か、という事態も起こっているんです。
それでも、「ハカ」は今や民族の壁を越えたNZ団結の象徴となり、近年はサッカーやバスケ、野球、さらには女子チームも試合前に「ハカ」を行うことが多くなりました。前回のW杯大会で優勝した時には、試合後にも「ハカ」が行われたほどなんですよ。
サラリーマンにこそ観てほしいスポーツ
「そもそもスポーツにあんまり興味がない。」・・・で、では今度は、別の角度から見てみましょう。
ラグビーと言えば、タックルなどの「激しいコンタクトプレー」といった、いわゆる“派手な部分”に目が行きがちですが、それだけではありません。
選手たちにはそれぞれの“個性”があります。スタミナ・体の大きさ・パス・キック・俊敏性・タックルなど・・・GMや監督が各自の得意技を生かして、最強のチームになっていく。『ノーサイド・ゲーム』でも、そんな姿が描かれました。
それはビジネスでも同じこと。管理職がそれぞれの従業員の特性を見極め、誰をどのポジションに置くかによって、その力は大きく変わってきます。
ゲームが始まってしまえば、監督にできることは限られます。でもちゃんと見極めておけば、適材適所に置かれたメンバーたちは思う存分力を発揮し、十二分にその役割を果たしてくれます。そしてその集合体が、強い「ビジネスチーム」・強い「企業」に成長していくのです。この“組織力”がラグビーにもビジネスにも重要なのですね。
そして、「ノーサイド」の精神も魅力の一つ。“紳士のスポーツ” ラグビーには欠かせない考え方で、試合が終われば、敵味方関係なく、お互いの健闘をたたえ合うのです。
先週の『ノーサイド・ゲーム』9話の君嶋と滝川さんの試合後のシーンは泣きましたよね・・・!
私たちに手ごわいライバル企業やムカつく上司なんかがいたとしても、裏を返せば、同じ市場の拡大を目指す友人であったり、自社のために尽くす仲間であったりするかもしれません。そしてなにより、みんな誰か・何かを守るためにがむしゃらになって働く“サラリーマン”、なんですよね。
そう考えると、ラグビーはまさに“ビジネス界の縮図”とも言えるのではないでしょうか。
どうしても『われら青春!』(1974)、『あさひが丘の大統領』(1979)、『スクールウォーズ』(1984)といった学園ドラマの影響で、「ラグビー=“若者が熱くなるスポーツ”」というイメージが強いかもしれませんが、いい大人になって観ると、より一層、その深い面白味がわかるはずです。
さぁ、キックオフはもう間もなくですよ!