信じたい・・・でも信じきれない! 思わず脱力してしまう「占いサイトの誤字脱字」
ハロウィンも近づいてきましたけど・・・18世紀のイギリスでは、先祖の霊や異世界の者が現れて不思議な出来事が起きるといわれる日「ハロウィン」に、結婚や子ども運、健康などを占っていたんだそう。
そのため現在でも海外では、「ハロウィンに恋占いをすると、運命の相手がわかる!」と信じられているんだとか。
ところで、
そんなもの信じてないよ、気休めだ、なんて思う方もいる一方で、出勤前にテレビでなんとなく今日の占いをチェックしたり、雑誌の最後に掲載されている占いをつい読み込んだりしてしまう方も多いはず。
その人気ぶりを裏付けるかのように、現在では様々なメディア、特にWeb上で占いサイトや占いコーナーを設けているサイトをよく見かけます。
けれども、これらの占いサイト・・・・・
実は思わず脱力してしまう誤字脱字がかなり多く潜んでいるんです。
今回は、2018年4月頃に著者が見かけた〝占い誤字脱字〟をこっそりご紹介しましょう。
2018年度は大変化の時が到来! 今の職場を辞めて違うとろに行く、部署を変わる、独立するなど、今年度が絶好のチャンスかもしれません。
某占いサイト 「2018年水瓶座の運勢」の記事より
「とろ」
違うとろに行く・・・中トロから大トロへ行くってこと?
あまり大きく変わっていないような・・・。
「とろ」
いや待って、待ってくれ!
文章が全然頭に入ってこないよ!
しかも「大トロ」ってそういう意味じゃないし!!
行くなら違う〝ところ〟に行かせて! 頼むから!
さて、続いてはこちら。
いつも「自由」という言葉を胸に、新しい自分を再発見していきましょう。
例えば、行ったことない場所へ旅行行ってみるといいかも。新しい環境に飛び込むことで心地よい刺激を受け、また漏れた自分らしさが溢れてくる可能性があります。
某占いサイト「2018年みずがめ座(水瓶座)の運勢」の記事より
「行ったことない」場所へ「旅行行ってみる」といいかも。
うーん・・・、軽い。
チャラい。
文章的には、デレデレ状態のおじさんに手相占いするキャバクラのおねぇさんしか想像できません。
たぶん「行ったこと〝が〟ない」「旅行〝に〟行く」など、助詞が抜けているのだと思うのですが・・・。
ま、でも校正者としてはその下の「また漏れた自分らしさが溢れてくる」という表現のほうが意図的なのか間違っているのか気になるのですけどね・・・・・・(汗
占いというのは、やはりある種の神秘的な分野―――不思議な力の持ち主や、星読みなど特別な勉強をした方が行っていると思うからこそ、ちょっと信じてみようかな、という気が起きるもの。
だからこそ、こうした力の抜ける誤字脱字があるとその神秘性は一気に失われてしまい、他分野の文章よりも余計に気分がそがれてしまいます。
「信じられる」占いとして人気が出るためには、よく当たるというだけでなく、丁寧な校正をすることも大切なのではないでしょうか。
Kao
校閲士・美術史修士。大学在学時に旅行したイタリアでアートに魅せられ、独学で美術史を勉強し大学院に入学、修士号を取得。
趣味はアート、歴史、ファッション、旅行、ご当地テディベア集め。
好きな画家はクリヴェッリ、クラーナハ(父)、モロー他。