わたしはウナギ~「やさしい日本語」が機械翻訳を助ける!?
こんにちは。『ダンラク』ライターの坪内悟です。
近頃は海外旅行に行くのに「携帯用の機械翻訳機」をレンタルしていくのがすっかりメジャーになってきましたよね。スマホにも翻訳アプリを入れている人が多くなりました。
これさえあれば「やさしい日本語」なんてできなくても・・・♪
でも最近、こんなことを聞いたんです。
外国人にもわかるように話す「やさしい日本語」と、
外国語を覚えなくても勝手に翻訳してくれる「機械翻訳」。
パッと見、この2つは正反対のようですけど、
「やさしい日本語」を知っておくと、機械翻訳が使いやすくなるとか・・・
それ、どういうことなんでしょう????
例えば、こんな場面でよくわかるそうで。
それは、ある日の定食屋さんでおきたこと・・・
今日はおごってやるから、好きなモノ頼めよ。
お前は?
ちょっと待ってください!
あれあれ?会話がかみ合いませんね。翻訳機があるのに、一体どうしたのでしょうか?
その謎を解くために、後半の会話を翻訳機で翻訳してみましょう。
You are?<お前はなんだ?>
・・・・May I look closely?<よく見てもいいですか?>
なるほど。そういうわけだったのですね。
ではこれを、外国人にもわかりやすい『やさしい日本語』で話してみましょう。
あなたは 何を 食べますか?
そして、これをもう一度機械翻訳機にかけてみます。
ちゃんちゃん♪
飲み屋の定番「うなぎ文」
上で見たように、日本語で『AはBだ』というのは必ずしも英語の『A is B』(A=B)という意味ではありません。
“なんか結びつきがある”くらいのゆる~い意味でしかないのです。
こうした『~は…だ』は、いわゆる「うなぎ文」と呼ばれます。
飲み屋に行っても「俺、ビール」「私はピンクのドンペリ」といった会話があたりまえのように聞こえてきます。
あ、どんな飲み屋さんかは想像にお任せしますけど。
ホントこれ、外国人にはなかなかわからないもんなんです。
太っているのは・・・「こんにゃく文」
また、似たものに『こんにゃく文』なるものもあります。
これも英語で直訳すると、
あ、いやいや、言いたかったのは
このように日本語は「主題」が優勢で、必ずしも主語が入るとは限りません。
それに対して英語は「主語」が優勢。「誰が行うのか」が大事にされます。
こんな風に、日本語は他の言語に比べて、よく言えば大変ファジーに、悪く言えば“いいかげん”にできています。
ですから、間違いのないプログラミングで翻訳する機械翻訳機では、その辺のニュアンスを“良い加減”には処理できないのです。
逆に言えば、通常の日本語から「やさしい日本語」にすることで、主語・述語の関係が整理され、機械翻訳の精度もアップするわけです。
最近はAI技術も進化して機械翻訳の精度も向上したとはいえ、やっぱりまだまだの部分も否めません。
機械翻訳を使うにせよ、直接しゃべるにせよ、
外国の人たちがどんどん日本にやってくるようになった現在では、「やさしい日本語」をしゃべれるようにしておいて損はないと言えるでしょう。
※ダンクグループでは定期的に「やさしい日本語」の説明会も実施予定。
くわしくはダンクの「やさしい日本語」公式サイトをチェック!